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但し、クーノ・フォン・デア・ゴルツ少将率いる第26旅団だけは、前日夕刻までに攻略したジュシー部落を始めとするロゼリユ南方のモーゼル河畔高地上に陣を張り続けるのです

 ゴルツ旅団と対峙していた仏ラパス旅団の諸兵は午前6時から7時の間にサント=リュフィール部落周辺の陣地から撤退し、その後この日は、ムーラン=レ=メッスの方向より仏軍騎兵斥候が現れては消えるだけの「平穏な一日」となりました

 グラヴロット在の独第一軍本営では、早朝の第2軍団による報告と偵察斥候から上がって来た情報とにより、仏第2軍団がジュールの家東方高地から撤退したことを知ると、「もうこれ以上、この前線で戦闘は発生しないだろう」と判断します

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 フォン・シュタインメッツ大将は早朝、大本営からの戦況通報を検討した後、午前8時に麾下諸隊に対し命令を発し、まずはモーゼル川東岸に留めていた輜重第1縦列と全ての野戦病院隊に渡河を命じ、それぞれ担当の部隊の下へ行軍させました

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これにより19日一杯、諸隊は物資・弾薬補充と傷病者の処置を行ったのです

 前線においては、早朝に騎馬斥候各隊がシャテル渓谷の東側、サン=カンタン山麓の広い裾野に広がる森林高地地帯に仏軍のテントが密集しているのを発見し、複数の行軍縦列が北方へ向かうのを確認していました

 この光景は一日中続いて行き、仏軍はメッス要塞を「後ろ盾」にして、その西側に広く展開しようとしているかのようでした

しかし、この行動は仏軍が北方のモーゼル下流域、即ちティオンヴィル要塞方面へ脱出しようとしている前兆とも受け取れる行動だったのです

 一方、第一軍傘下にありながらモーゼル東岸に留まり、メッス要塞を監視・牽制していたフォン・マントイフェル騎兵大将率いる普第1軍団は、仏軍が万が一東進を謀った場合を想定し、前日18日に軍団全てがそれまでの野営地を出立して左翼(南)側へ進み出ていました

 この行動により、普第1師団はそれまでの野営地ラクネイー周辺からフロンティニーとメルクーヴ間に移動して展開し、師団の前衛はアル=ラクネイーからジュリーまで進み出ると、同地を横切る鉄道堤を利用して散兵線を構築しました

 普第2師団の第4旅団は既述通りフォン・シュタインメッツ将軍の命令によりモーゼル河畔まで進み、西岸の敵に対して銃砲撃を加えた後、夜間にオニー付近まで退いて再集合し、師団の残り(第3旅団基幹)はクールセル(=シュル=ニエ)とラクネイー付近に野営しました

 第1師団前衛が前線に進んだ後、入れ替わる形で第4連隊の1個大隊と竜騎兵1個中隊の小支隊がアル=ラクネイーに駐留し、騎兵第3師団はコワン=レ=キュヴリー付近に野営して、その前哨をセイユ、モーゼル両河川間に配して要塞からの仏軍突破を警戒したのです

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 会戦後の19日も第1軍団と騎兵第3師団は前日の位置に留まります